第二章 今死ねば来世で

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 そして、石田は車で病院に来ていた。皆の様子が気になったのだそうだ。  付いてきていた琥王は、橋場に会う段取りを塩冶に依頼していた。 行って会えるという問題ではないらしい。  石田の車に乗り込むと、琥王も付いてきていた。 琥王が居ると、どうも、無理ができない。 「石田さんは、 あの、異世界で家族が生きていると信じているのですか?」  運転する石田は、前だけを見ていた。 「初めはノイローゼだと思ったよ。でも、次第に分かった。 世界の仕組みかな」  そして、来世で会えるという人間は、とても幸せだと思ったという。 異世界では、生まれ変わりがあったとしても、 永遠に出会うことがない。
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