第二章 今死ねば来世で

27/28
前へ
/222ページ
次へ
「俺は、会いたいという人の願いを叶える」  石田の思いも強い。 自分の願いが叶わないので、より一層思いが強くなるのだ。  車は街を抜け、畑が多くなってきていた。 塩冶の資料によると、橋場は花を育てていた。 年齢は、石田よりもやや年下となる。  外が暗くなり、俺は、バイトを思い出した。 勢いで一緒に来てしまったが、 どうも、バイトの時間までには帰れそうにもない。 慌てて芽実に連絡を取り、まだ琥王と一緒とも伝えてみた。 墓参りでこんなに遅くなることはないが、 芽実はゆっくりしてもいいよと言ってくれた。 しかし、働くということで、そう芽実に甘えてはいけない。
/222ページ

最初のコメントを投稿しよう!

187人が本棚に入れています
本棚に追加