第三章 今死ねば来世で 2

4/31
前へ
/222ページ
次へ
「琥王、何人前?」 「四人だろう」  四人分にしては多いような。 袋の中を覗くと、デザートまで入っていた。 「さてと、帰ろう」  かなりの金額であった。 俺が出そうとすると、琥王が止めた。 「大丈夫、必要経費で塩冶に請求するから。 それよりも、胃薬の製作ね」  琥王に水を持たされてしまった。 弱った体には、強い水は渡せない。 そっと力を込めると、他の水を手に取った。 「月が大きいな」 「すごいね、あんなに近い星があるのに、 人は地球しか知らない」  隣に世界があるのに、人はこの世界しか知らない。 「本当に面白いよね、薬師神って」  琥王が声を出して笑っていた。
/222ページ

最初のコメントを投稿しよう!

187人が本棚に入れています
本棚に追加