第三章 今死ねば来世で 2

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「ええと、 君たちは塩冶様の関係者、なのかな?」 「はい、俺は塩冶の家の居候みたいなもので、 働いて家賃に当てて貰っています。俺の両親、亡くなっているので」  嘘ではない。 「そうか……大変だね」  弁当屋の惣菜は、結構おいしいものであった。 「私は、どうにか立ち直ったと思うよ。 こうやって親身になってくれる人が居ると思うと、感謝するし、元気も出るね」  石田の妻が、どのような人であったのか、垣間見た気がした。 橋場は、疲れているだろうに、相手を気遣う女性であった。  しかし、塩冶様というのは何者なのだろうか。
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