第三章 今死ねば来世で 2

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 でも、今死ねば来世で会えると言われると、人は死を選んでしまうのか。 俺は、そこまでして、再び会いたい人がいないのかもしれない。 「そうねえ、 私は、一弘君が居なくなってしまってね、 また会えるなんて、そう言われたら、迷うね。 今度は、本当の親になれるかも、なんて言われたら、 迷わず死を選ぶかも」  そこまで、芽実に思われていたとは、俺も知らなかった。 「今度生まれ変わったら、 安廣君と私と、一弘君で本当の家族になるの」  泣きそうな目で、芽実が俺を見つめていた。 ここまで、芽実を追い込んでしまったのは、俺なのだろう。
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