第三章 今死ねば来世で 2

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「石田さんは、すぐには活動を止めないだろうけど、 俺は橋場さんが救うと思う」  石田は、橋場を助けるだろう。橋場も、石田を必要として欲しい。 「そうだといいな」  琥王は、俺に映画のチケットを見せていた。 映画など、彼女と行って欲しい。 「琥王、そろそろ彼女と一緒に居る時間を増やさないと、振られるよ」 「もう、フラれたよ。 好きな子ができたのねって言われた」  パンの話ばかりしていた琥王に、彼女が言った台詞であった。 どこか笑顔でも冷めていた琥王が、本当の笑顔を出すようになったのだそうだ。 「だから。映画、一緒に見るぞ。薬師神」  映画の後は、新しく出来たパン屋に行き、 焼き肉を食べ、その後にキャッチボールするのだそうだ。
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