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「焼肉?」
「食べ放題で、学生割引があって、しかも今日は半額日」
焼き肉には惹かれる。
安廣も芽実も、野菜衷心の食事であった。
塩冶は、家で食事をしない。
「……分かった、行く」
芽実が手を叩いて喜んでいた。
どうして、これで喜ぶのかは分からない。
「芽実さん、映画に行ってきます」
「行ってらっしゃい!仲良くね」
仲良くと言われても困る。
琥王が、俺にキスしたと知ったら、芽実も驚くだろう。
着替えると、琥王の待つ森のくまの店頭に行く。
すると森のくまは開店前だというのに並んでいて、女性客が琥王を見ていた。
「かっこいい」
琥王は、褒められていても気にもせずに、
俺の姿を見つけると手を振ってきた。
派手に琥王が手を振るので、客が一斉に俺をみた。
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