第三章 今死ねば来世で 2

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 酷い言われようであった。 「琥王、目立たない場所で待っていてよ……」  俺が、琥王の腕を引っ張ると、後ろで又どよめきがあった。 「森のくま、店員目当てのファンの子も多いからね…… あの子も働かないかしらね」  森のくま、制服が可愛いうえに店員にも可愛い女性が多い。 琥王も働けば確かに、ファンも増えるかもしれない。  幾駅か先にある映画館に行くと、かなり混雑していた。 座席指定なので、ギリギリに座席に座ると、両隣がカップルであった。 居心地が悪くて琥王を見ると、平然と森のくまのパンを食べていた。 持ち込み禁止でもあったが、琥王は全く気にもしていない。
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