第一章 命か金

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 琥王は、ライオンのようだとも思っていたが、猫科に近い。 ライオンは猫科なのだろうか。 「俺のせいで、皆が亡くなったと言う者もいるから。 絶対に、来るなよ」  たまに墓参りで、他の親類に会うのだ。中には、俺を罵る連中も居る。 「じゃ、絶対に行く!」  琥王は、どこかお節介でもあった。 しかも、言い出したら中々引かない。  通学で混み合う道路から、一本入り、小さな商店で琥王は飲み物を買う。 パンに合う飲み物として、牛乳を購入することが多い。  琥王が、飲み物を購入している間、俺はさっさと学校に向かう。 「薬師神、待てって」  俺が琥王を置いてゆき、琥王が怒って追いかけてくる。 既に、いつもの光景になっていた。
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