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「そこまでして、食べたいのか」
琥王、夕食の後だったのだそうだ。
塩冶のマンションに行くと、
エレベータに乗る前に、琥王が走り込んできた。
「ジャストタイムだね」
汗をタオルで拭く琥王は、ケーキを凝視していた。
「琥王が来るまで食べないから、シャワー浴びてきなよ。
俺も、風呂に入りたいしね」
琥王は、大きく頷くと、何故か目が泳いでいた。
「薬師神の風呂……」
何を想像しているのだろうか。
男の風呂など、かなりつまらない。
「ケーキ、食べないでね」
琥王は、又走ってエレベータを出て行った。
塩冶の家に行くと、えんきり屋は営業終了していたせいで、
塩冶が既に戻っていた。
リビングからワインの匂いがしている。
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