第三章 今死ねば来世で 2

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「そこまでして、食べたいのか」  琥王、夕食の後だったのだそうだ。  塩冶のマンションに行くと、 エレベータに乗る前に、琥王が走り込んできた。 「ジャストタイムだね」  汗をタオルで拭く琥王は、ケーキを凝視していた。 「琥王が来るまで食べないから、シャワー浴びてきなよ。 俺も、風呂に入りたいしね」  琥王は、大きく頷くと、何故か目が泳いでいた。 「薬師神の風呂……」  何を想像しているのだろうか。 男の風呂など、かなりつまらない。 「ケーキ、食べないでね」  琥王は、又走ってエレベータを出て行った。  塩冶の家に行くと、えんきり屋は営業終了していたせいで、 塩冶が既に戻っていた。 リビングからワインの匂いがしている。
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