187人が本棚に入れています
本棚に追加
/222ページ
「薬師神、クロワッサンは俺のだからな」
教室にたどり着くと、隣のクラスである琥王とは離れる。
机の周辺には、俺が持ってくるパンを食べようとする、
男ばかりが集まっていた。
「薬師神、男にはモテるのね」
前の席の忽那は、当たり前のように俺の紙袋を開け、
中からパンを取り出す。
「男にモテても、嬉しくない」
忽那が食べだすと、次々に手が伸びてくる。
「そうかな、女子など、男にモテる薬師神君が大好きらしいよ」
どういう意味かは分からないが、
確かに、パンでの餌付けと称されてはいる。
琥王がやって来ると、やはり当たり前のように、
クロワッサンを食べ始める。
最初のコメントを投稿しよう!