第1章

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言いながら、すぐ目の前に広がる山並みを見上げる。 さして大きな山じゃない。 山のことには素人な俺だが、人の手が入っていない、荒れ放題の山だってことは傍目に見てもよく分かる。 こんな腐ったような山は売っ払って潰して、マンションだろーが遊園地だろーが自由に立てればいい。 土地も見ないで 不動産屋に安く買い叩かれたんじゃしょうがないから見には来たが、思った以上に何の価値もなかった。 都会から電車とバスを乗り継いで5時間、そこから歩いて一時間のところに限界集落らしい村があって、そこからさらに30分歩いてようやくここまでたどり着いたが、それだけの価値はどうやら本当になかった。
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