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人生とは一体何が起こるか分からない。
明日死ぬかもしれないし、後百年先も生きているかもしれない。
幸福だったり、不幸だったり。夢や希望を持ったり、絶望したり……そして挫折したり……。
そして俺こと、天満黒乃(テンマ クロノ)十五歳は目の前の数枚の紙を眺めて人生最大の挫折を味わっている。
最初に言っておくが俺は馬鹿ではない。
もちろん天才という訳ではないが頭が悪い訳でもない。
学校から帰ってきてまた勉強をするのは嫌いだったが毎日一時間以上は予習復習をやっていた。
中学の頃のテストじゃ二百人中三十位以内はずっとキープしていた。
それなのに……この結果はどういう事だろう。
第一志望・県立○○高校……不合格。
第二志望・県立△△高校……不合格。
第三志望・私立□□高校……不合格。
もう一度言おう。
これは一体どういう事なのだろう。
普通の高校に通って普通の会社に就職できれば良いと思っていた俺は、第一、第二共に高すぎず低すぎずの無難なレベルを選んだはずだった。
第三志望の私立の高校は受験して金さえ払えば通える様な高校だった。
勿論、俺は滑り止めのつもりで受けた高校だ。
俺の他にもそんな人は沢山いる。
まぁ、こうなってしまった原因は分かってるんだけどね。
まず最初に第三志望の滑り止めの高校の受験があった。
俺はこの第三志望を受けとけば、この後の第一・第二志望の受験が少しは気が楽になる気がしたから受けた。
所謂、試験の練習感覚だった。
当日、俺は時間に余裕を持て電車に乗って受験会場に向かったのだが、山の麓を走っている途中に突然の土砂崩れに巻き込まれ生き埋めになった。
不幸中の幸い、九死に一生を得たと言うべきか、まだ早い時間だったのか乗員乗客は僅かで全員無事に救出された。
友人達は運が良かったなと言ってくるが、事故に合った時点で運が悪い。
勿論、無傷とはいかず入院する事になった。
次の第一志望の受験の時は、受験会場に電車を降りて徒歩で向かう途中、例年より早い大雪の所為でノーマルタイヤの車がスリップ。
それに巻き込まれ又もや入院。
そして最後の希望である第二志望の高校受験の日に謎の腹痛で入院。
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