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「……そうだ、黒乃。ウチの学園に入学すればいいさ」
「灰姉の学園?」
「ウチの高校の理事長は少し離れた親戚でな、頼めばなんとかしてくれるかもしれない。私が頼んでみるよ」
「灰姉!ありがとう!」
俺は感極まって思わず抱き付いてしまう。
抱き付いた際に灰姉からとても甘く良い香りがした。
しかも柔らかい。
「こ、こら!まだ入学出来ると決まった訳じゃ無いんだぞ!」
「それでも灰姉には感謝してる!灰姉、愛してる!」
「あ、愛して……そんな、いきなり告白されてもだな……」
なんか灰姉がブツブツ言ってて怖い。
やっぱり無理なのか?
「そうだ。灰姉、春休み中は何でも言うこと聞くよ。存分に扱き使ってくれ」
「な、何でも!?扱き使う!?……くふふっ」
あれ?なんかさっきより怖くなってきたんだけど……。
灰姉、変な笑い方してるし。
「そ、それじゃあ、黒乃。私をもう一度抱き締めてくれ」
「え?そんな事で良いの?…………これで、良いの?」
「あ、あぁ」
灰姉の言う通りに抱き締めるが、めちゃくちゃ恥ずかしい。
さっきは勢い余ってだったが、こう意識してやると物凄い恥ずかしい。
灰姉は物凄い美人だし、さっきも言ったけどかなり良い匂いがして弟でもかなりドキドキする。
「あ、あの、灰姉?もうそろそろいいんじゃないかな?」
あまりにもドキドキし過ぎて俺の方が少し辛くなってきた。
「駄目だ。もうちょっと…」
それから何分経っただろうか?
実際は一分くらいしか経ってないと思うが、俺的にはもう数十分も経っている気がしてきた。
俺はもう一度離れてもいいか聞くが、返ってきた答えは先程と一緒でNoだった。
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