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「お兄ちゃん、お姉ちゃん知らない?……って、何やってるのお姉ちゃん!お兄ちゃんから離れて!」
ガチャリと急にドアが開き俺と灰姉はビクリとなる。
ノックもせずに堂々と入って来たのが俺の双子の妹の天満真白(テンマ マシロ)。
流石に家族とはいえ抱き合っているのは拙いと思い、離れようとするが灰姉が離さない。
灰姉は入ってきたのが真白と分かったのか、現状を続行するようだ。
もしこれが母さんや父さんだったら離れてくれたのかもしれない。
今は灰姉も問題だが、真白も負けじと若干…いや、結構お兄ちゃんっ子だ。
だけど基本的にはとても良く出来た妹だ。
でも偶に名前とは正反対の腹黒の部分を見せることがある。
容姿は灰姉を美人系とするなら真白は可愛い系だろう。
灰姉と同じ位の長い黒髪だが、灰姉と違い縛ったり留めたりせずにしている。
そういえば灰姉もノックしないで入ってきてないか?
「違うぞ。これは黒乃が抱き付いてくれてるんだ!」
「いいから早く離れてよ!」
「それは出来んな。これは御褒美なのだから」
「何の御褒美なのさ」
「理事長に黒乃の入学を頼んでみる事だ」
「え!?お兄ちゃんと同じ学校に通えるの?」
「まだ、可能性の話だがな」
「お姉ちゃん良くやった。仕方無いから今日は許してあげる」
そう言うと真白は機嫌良く鼻歌交じりに部屋を出ていった。
というか、アイツは一体何しに来たんだ?
灰姉を探して俺の部屋に来たと思ったんだけど……。
それより俺は何時までこうやって灰姉に抱き着いていれば良いんだ?
マジで恥ずかしんだけど。
結局灰姉から解放されたのは三十分後だった。
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