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「ん?終わったかい?どれどれ……空欄は無いようだね。パッと見でも大体合ってそうだ」
と、俺の解答用紙をパラパラと眺める。
「じゃあ合格……と言いたい所だけど君には一つ条件を付けさせてもらう」
答え合わせや丸も付けていないパラパラと眺めただけの解答用紙だけで合格を出そうとしていることに俺は驚いた。
今のだけで解答が合っているかどうかを判断しているのも凄い。
「条件?」
どうか厳し条件が付きませんように、と俺は心の中で必死に祈る。
毎回、テストで十位以内とか言われてもとてもじゃないが無理だよ。
「そう、条件。君には寮の管理人をやってもらう。部屋も管理人室で寝泊まりしてね」
「管理人ですか?」
「えぇ」
俺が想像していたことと全く予想外な条件に思わず聞き返してしまう。
まぁ、それくらいだったら……。
元々寮には入るつもりだったし、そんなに面倒臭いことはないでしょ。
今更入学させてもらうんだ、それくらいは快く引き受けよう。
掃除くらいだったら全然苦にならないし、料理をしろとか言われてもなんとかなると思う。
新入生にやらせるくらいだから大丈夫だろう。
後は意地悪な先輩とかがいないことを祈ろう。
「やったことが無いので上手くやれるか分かりませんが頑張ります」
「因みに女子寮の管理人だから」
「はい、頑張り……って、えぇぇ!!」
最後まで条件の内容を聞かなった数秒前の俺をぶん殴りたい。
こんなんじゃ契約書とか最後まで見ないで詐欺に引っかかりそうだ。
はぁ…人生って本当に何が起こるか分からない……。
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