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----- 2016/01/10 -------------------
清潔なテーブルクロスがかけられたテーブルの上に朝食が並ぶ。
グラタン、トースト、紅茶。
朝にしては重量感のある食事、それと対象的に小柄な男。
「君の作る朝食はやはり美しい、ありがとう」
男は落ち着いた声で「いただきます」と言うと、スプーンを手に取り、うっすらと焼き目のついたグラタンを口に運んだ。
チーズが手を引きミルクと舞い、味のハーモニーを生み出す。
「んんん。素晴らしいよ。素晴らしい。ありふれた食材が、君にかかれば。ほら、奇跡のようだ」
目を閉じ感じ入る。
男は一口食べては感謝を述べ、一口飲んでは賛辞を述べた。
「ごちそうさまでした」
食器を台所へ運ぶ男。
そして自ら洗う。
男は独り暮らしだった。
----- 2016/01/11 -------------------
マサヒロは屋上に出ると沈みゆく夕日に目を細めた。
様々な高さのビルの向こうに夕日が沈んでいく。
街がオレンジ色に染まる一時。
遥か下からときおりクラクションが聞こえ、頭上どこかでヘリの音がする。
目を刺すように輝く夕日と、腕時計を交互に見る。
夕日が徐々に沈み、空はオレンジから青黒へ変化していく。
ビルの向こうに赤い光の点が見えた。
徐々に近づいてくる。
ヘリだ。
ただのヘリではない。
機銃にミサイルまで搭載された軍の最新型。
ヘリはホバリングしながらやや旋回。
あるビルに睨みを付けた。
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