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「逆島少尉、貴様は日乃元を守りたいか」
もう迷うことはできなかった。
「はい、全身全霊をかけてこの国を守ります。この命、日乃元にささげます」
そういいながら、タツオは胸のなかで幼馴染みに謝っていた。本土防衛戦が終わったら、必ず墓参りにいく。それまでは薄情で冷酷な友を許してくれ。逆島継雄少佐が、タツオの肩をぽんっと叩いた。
「本日午後、1600より作戦会議が開かれる。今後の戦略に関する重大な発表があるから遅れるな」
「はい、少佐」
タツオは兄の背中が見えなくなるまで、なにも考えずにただ敬礼を続けた。
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