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タツオはあらためて士官用の会議室を見渡した。あのテロの最中、大講堂から脱出した須佐乃男の乗員候補者がずらりと顔をそろえていた。タツオが属する３組１班の３名を含め、総勢で17名だ。クニが目を細め、つぶやくようにいった。
「だけど、もう正操縦者はタツオで決まりだろ。候補者10人のうち、ここにはたった４人しか残ってないんだからな」
クニが思いだしたくない事実をあっさりと指摘した。タツオはもちろん10名全員の顔と名前を憶(おぼ)えている。そのうちすでに３名が死亡していた。
タツオと並ぶ最有力の候補者だった東園寺崋山は、タツオ自らの手により異種格闘戦の決勝で心臓を縦に割られ死亡した。
五十嵐(いがらし)高紀(たかのり)は夏の総合運動会模擬戦で、いまだに謎である敵勢力の銃撃により、タツオの身を守る盾(たて)となって散っていった。
浦上(うらかみ)幸彦(ゆきひこ)はタツオとジョージを狙撃し損(そこ)ね、今はこの会議室にいない１班の谷照貞により射殺された。
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