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姉のミチルはやけに気が強そうだ。プライドもひどく高そうである。この同期は扱いに注意が必要だとタツオは心にとめた。カケルが人懐こい笑顔をのぞかせていった。
「わたしたち、ちっちゃな頃から、みなにそういわれてきたんよ。気にせんで、かまへんよ」
なぜか萬家の妹がクニではなくタツオとジョージの座る方向に向かって、ちいさく手を振ってきた。ジョージがタツオを肘(ひじ)で突いてくる。
「あのカケルって娘、知りあいなのかい」
「いや、ぜんぜん面識がないと思うけど」
タツオが唇の端でそう返事をしていると、厳しい声が会議室を満たした。
「なんだこの茶番は、おれたちは須佐乃男の操縦者候補として、日乃元を破滅から救うんじゃないのか。おまえら全員、気がたるんどるぞ!」
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