第1章

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桜の蕾が膨らみ始め、春の足音が聞こえてきていた。 気持ちの良い、雲ひとつない快晴にポカポカした陽気は、絶好の卒業式日和だった。 今日、ようやくこの高校を卒業する。 僕はこの日を待ちに待っていた。 それは、小さい頃に幼馴染と交わした約束をようやく果たせるからだ。 まるで、おもちゃ屋さんのショーウインドウ越しに毎日眺めていたおもちゃを、やっと買うことができるような感じ。 期待と緊張で胸がはち切れそうだ。
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