◆花束を渡す

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 花言葉、あとで本屋さんに言って調べてみようかな。あと、可愛い花瓶を買ってこなくっちゃ。お小遣い足りるかな。  わくわくしながらレインを振り向くと、じとりとした視線であたしを見ていた。……ううん、正確には、花束を? 「なあに?」 「花、嬉しいのか」 「うん! 初めて貰った!」 「……そうか、よかったな」  うん! と頷けば、レインはカウンターから出てあたしの手を取った。仕事はもう終わったのか、真っ黒のタブリエを外している。   「花瓶、買いに行くんだろう。行くぞ」 「! なんでわかったの! 嬉しいっ!」  わぁい! とその腕に抱きついた。とびきり可愛い花瓶を、見つけるんだ。  花束から一本のガーベラを引き抜いて、レインに手渡した。少しだけ見開かれた色違いの瞳が、その意味を問いかけてきてる。 「希望! お裾分け!」 「それはどうも」  手を繋いで、空いた手でお花を持ってお買い物。  全部が嬉しくて、ついつい頬が緩んでしまうのを我慢できない。そんなあたしを、可笑しいと笑ったり怪訝な表情で見たりはせず、すごく穏やかな視線で見守ってくれてたりするから、なんだかむずがゆい。  だから、誤魔化すようにCuoreを飛び出した。  帰ったら、一番にクロウさんに見せよう。ありがとう! って、心からのお礼も一緒に。 .
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