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◆◇◆◇◆
陽の光に当たると、きらきら光る真っ白な花瓶を買って帰ってから。
(なんと、3店目でレインが見つけてくれたんだ。すっごく可愛くて綺麗で、一目ぼれしてしまった)
キャッツテールを手にしたレナさんがクロウさんの額を中指でぺしぺし弾いてる光景に出くわしてしまった。痛そう。
「おかげさまで上機嫌よ。ありがとう」
「怒るなよ、可愛いじゃんこれ。花束が欲しいならロッドに期待しなさいよぉ~」
「うっさいバカっ!」
カァッと頬を赤く染めたレナさんの手の中で、キャッツテールがその動きに合わせてふよふよ揺れていた。
まるで、本当に猫みたい。
「だってレナって猫好きだけど発疹出ちゃうから触れないでしょ。だからこれにしたんだよ。まあ、気ままって合ってるけど」
「一言余計なのよ」
ふん、と踵を返したものの、背中越しに小さな声で「ありがと」と呟いたレナさんはなんだかいつもより幼くて可愛かった。
「どういたしまして~」
けらけらと笑いながらレナさんに言ってるクロウさんの背中をちょん、とつついてこっちを見てもらって。
そして、クロウさんに負けないくらいの笑顔で言った。「ありがとう!」って。
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