第二話 もう一人の自分

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 確か、私の覚えている限りでは、今の元号は"令和"だった筈だ。  私の名前は風間 綾音。  たかが18年間の人生だが、生い立ちを話すとそれは長い。  簡潔に言ってしまえば、単調で面白味のない人生が、これから面白くなろうとしている。  少なからず、直感的にはそう感じていた。  生まれながら肌や髪に色を持たずにこの世へ生を受け、両親に捨てられ、周囲から迫害され………  それはもう、こんな人生、すぐにでも投げ出したかった。  何度も立ち止まった。  けれども、人生を簡単に辞められる事は出来なかった。  私を理解してくれる友人が沢山居て…  祖母にも勘当されて家を追い出され、、私を拾ってくれた従兄夫婦の家で歓迎され、私の事を家族として愛し、受け入れ、理解してくれて…  車やバイク、スケボーなんか大好きで。  アメリカ西海岸のHip-Hopが大好きで。  大切な友人達とツーリングやスケボーのスポット巡りに行って、互いに笑い合ったり。  同じく、車好きの従兄と夜中に出掛けて峠でドリフトの練習をしたり。  それはもう絶望しかなかった私の人生を、周りの人達の支えがあったお陰で最高の人生に変わろうとしていた。  
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