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そんな私の最高な人生も今、儚く終わりを迎えようとしているのか。
直近の記憶を辿ると確か、私は一週間後に車のドリフト大会を控えていて……
日付が変わろうとしている真夜中に、従兄と峠へドリフト練習に向かうと、現地は昼間に雨が降り続いた濡れた路面で、私の愛車である型落ちの古いスポーツカー、NB型ロードスターのコントロールを失い……
道路を逸脱。
雑木林の太い枝が私の顔に刺さる直前、意識が遠退いた…筈。
なのに、こうして今までの短い18年の生涯を走馬灯のように振り返っている。
ーーー………眠気を誘うような心地の良いジャズが流れ、暗闇の景色に光が差しのべ、辺り一面は緑豊かな山々。
夜中に車を運転していた筈なのに、青々とした空が広がっている。
明らかに元いた場所の光景ではない。
私のいる場所は、その光景の湖畔。
風で湖が優しく波打ち、その波紋を指で遊びながら。
心地よい水の冷たさを感じながら、水面に写った私の姿を眺めながら思い耽っていたのだ。
「……これから私の人生、楽しくなる筈だったのに。
友達とふざけて喜びや楽しさを分かちあって、時には悲しい事があったら、互いに励まし合ったりさ……
これから燃えるような恋をして、結婚して、子供が生まれて、家の縁側でお婆さんになって、日向ぼっこしながら湯のみでお茶飲んで、寿命全うして死ぬつもりだったのに。
私ってさ、これ……事故で死んだよね?」
情けない。
呆気ない。
私の死を目の当たりにした人達に、まだサヨナラすら言えてないのに。
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