第三話 取引は天秤により

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 居ても立ってもいられなくなった私は、憶測の飛び交う今回の事象に嫌気がさし、ついに私は掲示板に書き込んだ。  "皆さんに信じてほしいとは言いません。吊りと思って頂いて構いません。私が、彼が生前にスレッドで言っていた女子高生本人です"  スレ民の反応は辛辣なものだった。  "論理欠落キチ乙"  "どーせ亡くなったスレ主がアニメ映画の影響受けて作った創作やろ?主亡くなって盛り上がってきたから便乗したろってノリなの草"  誰も私の書き込みを、当然信用しない。  そこで私は、亡くなった男性しか知らない記憶を追記する。  料理が得意で、オムライスが好きだったこと。  高校時代の部活と、親しい友人の性格や思い出。  姉が居たが、彼が高校生の時に交通事故で亡くなっていること。  大学を中退し、派遣会社での勤務を得て内定が決まり、一般企業に再就職したこと。  上司からのパワハラ、モラハラがあったこと。  そして、私とは一度も会った事がなく、接点が一切無いこと。  その証拠に、男性の行動していた日時に私が何をしていたか、例を挙げて裏付けを語る。  
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