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「知ったかぶりしないでください!
ひょっとして貴女、私よりお客さん少ないからって、ストーカーして弱味握って私のお客さん横取りしてるんでしょ!?」
怒る少女にお灸を据えてやろうと、私は業と彼女の経歴を話し、怖がらせて退散させようと試みた。
「トー横界隈にも派閥はあるってどこかで聞いたことあるけど、君が言った本題の神様なんて興味ないよ。
これから私、君に酷いこと言うから覚悟してね。
神様にすら興味無い私が、君に興味なんてあるわけないでしょ?
興味が無いのに、人の頭の中が勝手に分かってしまうのが私の悩みなんだよ。
頭の中なんて、気持ち悪くて見たくもないのにね……
大変だったねぇ、"杉谷 綾乃"ちゃん。
年齢は16歳、高校は進学せず、バイクの無免許運転と売春で補導歴が3回、書類送検が1回で保護観察付きの筈なのに、なんでトー横にいるのかなー?
ちゃんとママさんのところに帰らなきゃダメでしょー? ねー、綾乃ちゃーん?」
大抵の人間ならここで、私を気味悪がって逃げるように離れていく筈だ。
だがこの少女、以下、杉谷に至っては……
「……ひょっとして、神父様が予言されていた神様って、ひょっとして貴女なのね!?
やったー! 本当に居るのね!?」
予言? なんの事だ?
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