第一話 混沌の中で

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 2015年、午前2時。  東京新宿区のとあるネットカフェ。  18才の少女、風間(かざま) 綾音(あやね)は、薄暗い個室でデスクトップのパソコンのモニターに釘付けになっていた。  モニターに写し出されているのは、ネット掲示板の書き込み。  『自分ともう一人の記憶があるけど、質問ある?』  書き込みをした主に、閲覧しているネット民から質問が飛び交う。  『それって生まれてからすぐに別の人の記憶あるの?』  『ドッペルゲンガーだったら、もう一人の自分に安価(リクエスト)やって』  『釣り乙』  やはり当初は信憑性もなかったが、掲示板を見ていく度に主の説得力が増す書き込みが続く。  主は30代半ばの会社員で、営業マン。  年収もそこそこ、大手企業に5年以上勤務。  しかし同時進行で、別の人格らしき記憶がリアルタイムで上書きされていると述べた。  
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