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……出で立ちは十代半ばの少女。
栗毛色をしたセミロングの髪をフワリと靡かせ、背もたれの無い椅子に座る。
水道蛇口と真っ白で清潔なシンクが付いた黒いテーブル。
ここはどこかの実験室。
蛍光灯がひとつしか付いておらず、部屋に窓はなく部屋の角が薄暗い。
高校の学生服に身を包む少女が白衣を羽織り、黒いテーブルに実験道具の数々を広げた。
薬包紙に白い粉状の薬剤を載せ、上皿天秤によく研磨された白銀の分銅を載せる。
「ジレンマだと重たいか……」
天秤は分銅を載せた皿が傾き、その結果をノートに綴る。
少女は分銅の首をピンセットで掴んで入れ替える。
「デストルドーでも重たい………」
またも分銅を入れ替えると、天秤は暫く左右に揺れた後、平行に釣り合った。
「ふーん、なるほどね。
この場合だと、リビドーが適正なのね」
少女は鼻歌混じりでノートを書く。
実験は続く。
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