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『もう一人の自分は、東京都の私立の女子高に通っている』
このコメントを機に、スレッドは盛り上りを見せた。
最初に記憶が上書きされたのは、彼が中学3年生の頃、寝ていたときに出生する夢を見たという。
あまりにも鮮明な夢が、数日間続いた。
やがて、その夢は目が覚めても、自分が生活していると同時に、起きていても眼を瞑れば別の景色が見えていた。
母に抱かれ、父が暴力をふるい、ある日父の存在が居なくなり、幼稚園、小学、中学を経て、身体が変化していく。
それよりも別人格である彼女の容姿は低身長のやせ形、瞳は赤く、肌も髪も白い。
その外見を理由に、幼い頃は酷いイジメにあっていた、と掲示板に述べていた。
今現在、書き込みを書いていても彼はその女子高生のビジョンが見えている、と追記していた。
そのビジョンの内容は、『東京渋谷のネットカフェで、自分が書いている書き込みを見ている』というもの。
書き込みに書いていた生い立ちや、彼が経験しているもうひとつのビジョン、そしてもうひとつの人格の外見が、このスレッドを閲覧していた女子高生、風間 綾音と全て一致していたのだ。
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