第二話『王様を脅迫』

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王様は警護の連中を連れて、謁見の間に俺様を案内した。ひげ面のおっさんが、王座の近くに立ち、ふんと鼻を鳴らした。 『よくぞ、参られた<旅人>よ』 俺様は黙殺した。 ひげ面のおっさんが、ふんとまた鼻を鳴らした。 『こちらは<旅人>じゃ。宰相、挨拶を』 『ワシが宰相のジャファルじゃ。ようこそ<旅人>よ。』 『そして私がこのシルバームーン王国の国王、アレックス・シルバームーン一世じゃ。ようこそ<旅人>よ。』 王様がローザとか読んだ乳がでかい美貌の女も挨拶した。 そして『僕が勇者、クレスト・ゴールド。君と同じこの世界に一年前に召喚された<旅人>だ。君の女神様から頂いた名は?』 『貴様らに名のる名前は持ち合わせてねえな。』 宰相が怒りの顔で『貴様、国王陛下の前で無礼であるぞ!』 『ブクブク太ったメタボな役立たずの役人に言われる筋合いはねえな。他に用がないなら、俺様は行くぜ?』 宰相は不服そうな目で俺様を見て王様を見た。 『良い、良い、元気がある<旅人>じゃ。私は気に入ったぞぃ。』 『権力者のコネは入らねえな。変わりに軍資金よこせ。城下町の地図とこの世界のマップもな。』
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