王様子供

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 涼子も真面目に答えると、春斗は突然、ソファーの上に仁王立ちになってこう言った。  「涼子、オレと結婚しろ!」  あぜんとする一同。  「 ……王様子供だ……」  呟く涼子の横で、和真は腹を抱えて笑い出した。  「幼稚園児が女子高生にプロポーズって! 何の冗談だよ。あぁ、アレか? 大好きな先生に“大きくなったら○○先生と結婚する!”とか言う無邪気なアレか!」  笑いが止まらない彼の太ももを、涼子は思い切りつねってやった。  「イッテー!! 何すんだよ!?」  「春斗くんは大事な話があるって言ってたでしょう? 大真面目なんだから笑っちゃダメ! それに――」  涼子はジッと和真の顔をのぞき込む。  「……忘れちゃったの?」  「……な、何のことだよ」  目をそらした彼の様子にため息をつくと、涼子はプロポーズの相手に視線を戻した。  「返事をする前に訊きたいことがあるんだけどいいかな?」  「オレは本気だぞ」  「うん、わかってるよ。でも、相手は誰でも良かったんじゃない?」  涼子の言葉に春斗は目を見開いた。  「そんなことはない!」
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