1人が本棚に入れています
本棚に追加
涼子も真面目に答えると、春斗は突然、ソファーの上に仁王立ちになってこう言った。
「涼子、オレと結婚しろ!」
あぜんとする一同。
「 ……王様子供だ……」
呟く涼子の横で、和真は腹を抱えて笑い出した。
「幼稚園児が女子高生にプロポーズって! 何の冗談だよ。あぁ、アレか? 大好きな先生に“大きくなったら○○先生と結婚する!”とか言う無邪気なアレか!」
笑いが止まらない彼の太ももを、涼子は思い切りつねってやった。
「イッテー!! 何すんだよ!?」
「春斗くんは大事な話があるって言ってたでしょう? 大真面目なんだから笑っちゃダメ! それに――」
涼子はジッと和真の顔をのぞき込む。
「……忘れちゃったの?」
「……な、何のことだよ」
目をそらした彼の様子にため息をつくと、涼子はプロポーズの相手に視線を戻した。
「返事をする前に訊きたいことがあるんだけどいいかな?」
「オレは本気だぞ」
「うん、わかってるよ。でも、相手は誰でも良かったんじゃない?」
涼子の言葉に春斗は目を見開いた。
「そんなことはない!」
最初のコメントを投稿しよう!