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「うん、いいよ。今度はウチに遊びに来てね。和真も呼ぶから」
すると春斗は、和真にも右手を出した。
「友達、なってくれるか? 和真」
初めて名前を呼ばれた彼は、相手の頭をガシッとつかみながら、腰を落として目線を初めて合わせた。
「おまえ、幼稚園に友達いないだろ?」
「う……」
「俺が友達の作り方を教えてやるよ、春斗?」
和真がニヤリと笑ってみせると、春斗もうれしそうな子供の笑顔になっていた。
帰りも高級外車で送ってもらった二人は、涼子の希望で、家の近所の公園前で車を降りた。
「春斗くんを見てたら懐かしくなっちゃって。小さい頃、毎日のようにここで遊んだよねぇ」
遊具を見てまわる彼女に、和真は疑問に思っていたことを訊いた。
「時々、俺の顔を見て笑ってただろ。何がおかしかったんだ?」
「だって、和真の小さい頃と今の春斗くんが、ものすごくそっくりだったからおかしくって!」
和真は首をかしげる。
「どこがだよ、顔は似てないだろ?」
「“王様子供”なところが!」
「なんだそれは、“王様子供”?」
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