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夕日に照らされた二人の姿は真っ赤に染まっていた。
「よし! このまま帰るぞー!」
和真がつないだ手をギュッと握って歩き出す。涼子は慌てた。
「え!? ちょっと待って! このままご近所を歩くのは恥ずかしいよ!」
「だめだ。“王様男子”の命令だからな」
そう言った和真は、実にうれしそうに笑っている。まるで“王様子供”だった頃のように。
「そんなのずるい~!」
涼子もつられて笑った。毎日、一緒に手をつないで家路についていたあの頃のように。
――その後
涼子がこっそり、和真と春斗に“王様子供1号・2号”と命名したのは、ナイショの話。
〈終〉
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