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すると…
「すいません。それでは、アンケートに答えて頂けませんか?」
と…その美人は、急に横に置いてある手提げ袋の中から、何やらA3サイズくらいの紙を挟んだバインダーとボールペンを取り出した。
で…
よく見ると、その美人が着ているTシャツの胸のあたりに
『アンケートの「ア」』
と、意味不明の言葉がプリントされていた。
「アンケートは、答えて頂けませんか?」
と、再びその美人はニコニコしながら語りかけてきた。
「ははーん。
アンケートに答えて欲しくて知り合いのフリをしたというアラテのやり方という訳だな」
と、俺は内心で思った。
「現在、あなたはどの様な宗教に興味をお持ちですか?」
美人が俺の返事を待たずに聞いてくる。
「今、急いでいるんですよ!行かせて下さい!」
「そう、おっしゃらずにあなたで記念すべき百人めなんですよ」
「わ、分かりましたよ。答えれば良いんですね」
「はい!ありがとうございます!」
「私は」
「はい」
「焼鳥は、タレよりシオ派です」
「は?何ですか?それは」
と、美人に一瞬の『スキ』ができた!
チャーンス!
俺は
「アンケート、答えましたよ!それじゃあ!」
と、美人の脇を『スイッ!』と、すり抜けると!
猛スピードで走り去った!
(自分の焼鳥の好みだけは、なぜかよく覚えていたみたいだ)
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