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『すげぇ、台風みてぇだ』
カエデは感心して目を見張る。
同じ中学時代、秋哉のケンカを何度も見てきたが、迫力は当時から比べてもなんら衰えていない。
それどころかウエイトが増しただけ、威力が半端ない。
多人数をものともしない息をつかさぬ連続攻撃。
スピードは昔からだが、くらった側に確実なダメージを与える会心の一撃。
肉弾戦だから一発で勝負は決まらないが、立ち上がるまでに時間をくうそんな打撃。
一対一の勝負なら、相手は次弾で意識を刈り取られるだろう。
この辺が、弟の冬依とは違うところだが、カエデは、
「冬依さんがウエイトあげたら、こうなるんだろうな」
思わず想像して、怖気が走った。
ただでさえ一撃必殺、そのためなら凶器も厭わないのが冬依の信条だ。
冬依の攻撃に重さが加わったら、今後マジで死人が出る。
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