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秋哉は、相手が扇風機のように振り回す腕を頭を傾けてかわすと、カウンターで拳を突っ込む。
前のめりによろけたのを髪を捕まえ、後方に放り投げる。
陰から湧き出るように襲ってきたのも、背中に目があるような後ろ蹴りで一蹴した。
隙をつこうとした前方の男の拳を手刀で流すと、重いバックで横っ面を張り倒す。
張られた男の首が、捩じ切れたように曲がる。
『あのカバン、いったい何入ってんだよ』
見ているカエデまでゾッとするような威力だ。
同じように、秋哉の振り回すボストンバックの重さにビビった、ひとりの男が、
「てめぇ、武器なんか卑怯だぞ!」
どっちが卑怯だよと突っ込んでやりたいような野次を飛ばす。
秋哉は、
「卑怯?」
自分のバックを肘をあげてちょっと掲げると、
「じゃあ、お前にやるよ」
不敵に笑って、相手の腹めがけて投げつけた。
条件反射で受け止めたバックごと吹っ飛ばす、秋哉の強烈な横蹴りが飛ぶ。
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