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秋哉の背中を探して、記憶にある来生家のマンションに向かって走るカエデの視界に、ふと交番の建物が入ってくる。 街角に建っている何の変哲もない普通の交番。 昼をすぎたばかりで暇なのか、3人の警察官が窓ガラス越しに談笑しあっているのが見える。 カエデは足を止めると方向を変え、その交番の入口へと向かった。 開けっ放しのドアをくぐって、 「ちょっと聞きてーことがあるんだけど」 警察官たちに声をかける。 秋哉を追いかけてマンションまで行ってもいい。 でも田中という警察官は、こいつらの仲間だ。 仲間に聞いてみるのが一番手っ取り早いと、動機は単純だったのだが、なんたってカエデの人相が悪かった。 背が高く猫背で、つっかけたスニーカーをペタンペタンと引きずって歩く。 ましてや昼の日中に、態度の偉そうな中学生がひょっこりと交番を訪れたものだから、警察官たちは少し驚いたように目を見張る。 けれどすぐに気を取り直して、 「どうした? キミまだ学校のはずだろう」 瞬間、一足飛びに警官の懐に踏み込んだカエデは、その警察官の腕をとり肩ごしに担いで一本背負い。 「おい、何をっ!」 驚いて静止に駆け寄ろうとした警官には、プロレス技のような横っ飛びの蹴りが飛ぶ。 まともにカエデに蹴り飛ばされた警察官は、事務机まで吹っ飛んで、背中を強打した。
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