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交番に訪れて、いきなりの凶行。
訳を話すこともなく突然暴れ出したこのとんでもない中学生に、
「こいつ――」
唯一攻撃を免れた警察官は腰に下げた警棒を引き抜く。
ドロップキックから態勢を立て直したカエデは、
「だから聞きたいことがあるんだってば、よっ!」
最初の相手同様、一気に懐に踏み込んでボディに一発くらわそうとした。
しかし、
「!」
最初に投げたはずの警察官が起き上がっていて、カエデを背中から羽交い絞めにする。
左右に振って逃れようとしたが、鍛えられた警察官の腕はびくりともしない。
そこへ、頭から襲い掛かってくる警棒。
横なぎに喰らって、気が遠くなる。
側頭部が麻痺したように痺れる。
殴られた場所に血が集まって、ドクンドクンと脈打つ感覚がして――、
踏ん張っていた足の力が抜けた。
背後の警察官に崩れるように身体を預ける。
「あ、おい。大丈夫か?」
倒れるカエデに驚いたのか、捕まえていた警察官の腕の力が少し緩んだ。
そこに、カエデは後ろ足を蹴り出して、自分を捕まえていた警官の足を横に払う。
油断していた警察官は、バランスを失って態勢を崩す。
カエデはここぞとばかり、両足を浮かせて全体重を後ろに預けた。
バランスを失った上、カエデの体重を受け止めきれなかった警察官の腰が落ちる。
カエデは両足を地に戻すとケツを突き出し、相手の身体を背中に乗せ、前回りの要領で相手を投げ飛ばす。
投げ飛ばされた警察官は警棒のやつにぶつかり、ふたりで絡まりながら書類棚に突っ込んでいく。
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