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飛び蹴りを喰らって呻いている警官にカエデは駆け寄ると、その身体を探ろうとした。
しかし、
「!」
防刃ベストのおかげか、カエデの蹴りは威力半減だったようだ。
いきなり目を開けた警察官は、カエデの伸ばした手首を握り潰さんばかりにつかみ取る。
そのまま力づくで引き寄せようとするので、
「男に抱きつかれる趣味はねぇよ」
カエデは引き寄せられる力に逆らわずそのまま頭から突っ込み、相手の顎に頭突きをいれる。
「ぶっ」
カエデに突き上げられた警察官は、反動で後頭部を床にひどくぶつけて、今度こそおとなしくなった。
カエデの方も想像以上に固い顎に、
「……痛ぇ」
涙目になる。
しかし痛む額にかまっている場合ではない。
チカンさながらに警官の身体をまさぐると、
「あった」
拳銃をみつけた。
それを引き抜き、
「動くんじゃねぇぞ」
カエデは自身のこめかみに銃口をあて、引き鉄に指をかけた。
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