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田中にかけた電話が、 『繋がった!』 携帯の向こうで響くコール音に、カエデは冬依を探すための糸口を握る。 二度と冬依を見失わないように、細心の注意をはかりながら耳をすませていると、同僚からの電話はさすがに無視するわけにはいかないのか、 「はい、田中です」 電話の向こうに男の声。 「今、どこだ」 カエデは出来るだけ低く聞こえる声で、呻くように聞いた。 相手が見知らぬ中学生だとバレれば、田中は電話を切るだろう。 いきなりの問いに、 「え? どこって……」 田中は口ごもる。 それが疾しい証拠だと、カエデは、 「緊急だ。どこにいるか言え!」 「今は――」 それだけは嘘ではない、カエデの必死な様子が伝わったのか、田中はここと目と鼻の先のコンビニの名前を教えた。 バカにしやがって! 怒髪天をつく形相でカエデは、 「てめぇのやったことは全部わかってる。そこ動くんじゃねぇぞ、すぐ行ってやる!」 握っていた銃を捨てると、交番から駆け出した。
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