第1章

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男が一気に距離を詰め、勢いよくハサミを振り上げる。 あぁ、本当に殺されるんだ。 冷たく光る刃先に全身の皮膚が恐怖で震える。動くことも、悲鳴をあげることもできない。 それでも私はこの男に選ばれた僥倖に心から感謝した。 私が切望しても得られなかった"本当の私"を、この男に殺されることで証明できるのだから。 だってこの男が獲物に選ぶのは――
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