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被害者は今までの犠牲者同様、いや、その中で一番綺麗で美しい人だった。
知的で妖艶な雰囲気を醸し出す整った顔に、髪は烏の濡れ羽色。赤黒く染まったワンピースからは白い手足が覗いている。
死体だとわかっていても、その美しさに息をのんだ。
口角をあげて人形のように固まる死体からは、被害者が自身の死を受け入れていることがわかる。
それもそうだろう。被害者は殺されたかったのだから。
美しい女性しか殺さない殺人鬼に殺されて、心の底から満足しているのだ。
何故なら――
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