第1章

6/7

3人が本棚に入れています
本棚に追加
/7ページ
被害者は今までの犠牲者同様、いや、その中で一番綺麗で美しい人だった。 知的で妖艶な雰囲気を醸し出す整った顔に、髪は烏の濡れ羽色。赤黒く染まったワンピースからは白い手足が覗いている。 死体だとわかっていても、その美しさに息をのんだ。 口角をあげて人形のように固まる死体からは、被害者が自身の死を受け入れていることがわかる。 それもそうだろう。被害者は殺されたかったのだから。 美しい女性しか殺さない殺人鬼に殺されて、心の底から満足しているのだ。 何故なら――
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加