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「……子どもの頃、母と約束したんです。母の『時計』は、わたしが必ず直してあげるって。
でも、まだ全然直らないし、直る気配すらないし、兄のこの時計を直したからって母がたちまち良くなるとは思いませんけど。
……けど、その可能性が少しでもあるなら、わたしはやってみたいと思います。そうやって続けてれば、いつか母と、昔みたいに笑って話せる時が来るんじゃないかなって」
「……つらくねえのか?」
「そりゃ、つらいですよ。一応、こうやって、強がってはいますけどね。
本当なら、毎日、一日中泣いて、喚いていたいですよ」
そこまで言ったところで、廻りの景色が歪む。
フジさんが頭を撫でてくるので、わたしは、ぎゃーっと思い切り叫んだ。
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