第1章
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赤い手袋。 片方だけ。 そうだ、なぜか大切な大切なものだって思って、机の引き出しにしまっていたはず。 その手袋を見たら、わけもなく泣きたくなるから、見えないように箱にしまって・・・。 忘れていたけど忘れていなかった。 私とあの人を繋ぐもの。 そっと取り出して蓋を開ける。 小さな赤い手袋。 あの人の瞳の色と同じだ。 そう思った瞬間、頭の中で記憶が弾ける。 弾けた記憶は洪水になって、私の全身を駆け巡った。
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