第1章

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そうだ。 思い出した。 船はどの魔族も欲しがる。 だから、私はたくさんの船を作って王様に渡した。 長い間、私がいなくても大丈夫なように。 まだ小さな私は、他の魔族に攫われないように人間界で隠されたのだ。 大人になれば、誰も私を連れて行くことは出来ない。 そして 「待ちわびたぞ」 部屋の中が金色に輝く。 妖精たちが踊っている。 くるくるくるくる、金色の光をまき散らしながら。 その光の波に浮かぶ船。 20年前、私が作り出した船だ。
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