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「なあ、弓矢…? あれ、なんだと思う……」
「あれって? …どれ?」
「あの……黒い物…」
弓矢が細目になって裕の指さす先を見つめる。
二人の間に沈黙が起きる。
裕が横目で弓矢のことを見る。
弓矢は顔座が青ざめていき、うずくまった。
裕自身も今目にしてるもの理解できないでいた。
「…たべてる」
裕は腰が抜ける。足が動かない。
「人が…人が、食べられてる…」
弓矢は絶望の顔をしていた。
――――
泣き叫ぶ者、身を乗り出す者、自暴自棄になる者、祈る者…
地下鉄が混沌と化していた。
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