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「裕…裕……ほら、手…とって?」
黒髪少女が手を伸ばしてきた。
――――
『捕食者』
午後8時の地下鉄、人がごったがえしていた。
黒い学生服の少年は本を読みながら電車を待っていた。
少年の名前は三神裕(みかみゆう)、17歳の高校二年生だ。目にかかりそうな長めの黒髪で顔もきれいに整った少年である。
ズボンのポケットから裕が持っている携帯の着信音がなった。
【裕!!
お願いがあるんだけど…明日提出の宿題、うつさせて!!
私にはあれは解けないね…( ;∀;)
ということで、よろしく~(^^♪ by.弓矢(ゆみ)】
学校の知り合いの藍沢弓矢(あいさわゆみ)からのメールだった。
裕はそれを眺め、ため息をついた。
【一度くらいは自分で解いたらどうだ?】
本を読みたいのか、ささっと一文で返信する。
コンマ一秒で返事がきた。
【無理(*'ω'*)】
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