第17章 片思い
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一触即発。 まさに 叩けばひび割れそうな薄い氷の上。 律と可偉人は無言のまま向かい合い 互いに目をそらすことはなかった。 彼ら兄弟の間には 僕の知らない 根深い確執がある――。 うすうす感づいてはいたけれど。 「もう静を苦しめるなよ」 可偉人は律を押しのけるように 僕に近づき。 吊り下げられた僕の腕を解きながら 「俺の代わりに――」 言ったんだ。
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