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第17章 片思い
首に鎖を巻き直した僕は
ベッドに体を横たえ。
そして――。
「ああもう、とても見ていられない……」
一人、耽るんだ。
片手で鎖を
絞めたり弛めたりしながら。
「音声を聞かせてやれないのが残念だよ」
律はいやらしく舌舐めずりしながら言うけど。
聞かなくたって
自分が何を口走っていたのかぐらい分かる。
僕をいつだって虫けらみたいに扱う
――この男の名前を呼んでいたんだ。
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